ロゴ 学習活用のためのヒント集

検索とうまくつき合う

検索に溺れないよう賢く使おう

インターネット検索はとても便利です. ウィキペディアを使えば,たいていのことは間に合ってしまいそうです. しかし,みなさんは何のために大学にきたのでしょうか?

勉強しなくてもウィキペディアで間に合うのなら,大学などにこないで,みなさんの時間をもっと有効に使うべきです. そうしたインターネット検索と賢く付き合うヒントをいくつかあげましょう.

検索の目的を仕分けよう

辞書や百科事典を引けば解決する疑問と,考えないとわからない疑問を仕分けましょう. 辞書を引けばわかるタイプは,できれば授業のその場で解消してください. そうしたほうが授業の話が頭に残りやすくなります. その場で検索ができない授業では「すぐに調べるリスト」をその場で作って,なるべく早く調べて確認してください. 「初めて出会うことだとどちらかよくわからない」という人も,以上を習慣にすることで,段々とどちらかわかるようになります.

問

  1. ウィキペディアについて,その記事を書いているのは誰か,内容の正しさを保証しているのは誰/どこか,調べてみよう.
  2. Google検索について,ある検索結果が上位に現れるのはなぜか理由を調べてみよう.
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手書きをしよう

ウィキペディアを含めて,インターネット上の情報源の多くはおよそ 1ページに収まるように書かれていることが多いものです. その特徴を生かして,みなさんが「使える」と思った検索結果は,是非とも手書きで書写してみてください. その際に次のようなステップを踏むと理解が深まり,記憶の定着もよくなります.

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  1. 何回か読み返す
  2. そのページを見ないで書きとる
  3. どうしても詰まったら再度読み返す

注意として,言葉使いや多少の誤字などあっても気にせずに,見ないで書いてみることが重要です.

いくら手軽に検索できる時代となったとはいえ,結局のところ辞書なしで思い出せる事柄が多いほうが学習効率は上がることが利点の一つ. いったん頭の中に入れてから書くことで,読むだけでわかった気になっていたことが詳細に見えてくることがもう一つの利点です.

基礎体力をつける

自分で考えて解けるようにならないと身に付かない力,高校までの勉強では数学などが代表的なものですが,そうした力をぜひ身につけてください. 検索により結果利用にばかり頼る学習法をしていると,結局は学習効率が下がります. 何時間かけても理解に届かないし,あなたが検索で仕入れた知識は,先生方から見るとつぎはぎだらけであることが一目瞭然にもなります. 結局は検索では身に付かない基礎体力に当たることにじっくり取り組むことが,あなたの力を高めるための近道になるのです.(以下で引用は藤原博文氏の文章をもとに書き換えてあります.)

下手な○○○はさぼっている訳ではありません.それどころか,上手な○○○より遥かに努力しているのです.努力しているけれども結果が出ないだけです.

という人にならないよう基本の勉強をしてください.

理解が必要になること

上で引用したような事態にならないためには,

正しい方法そのものを「公式」の形で示すだけではなく,その「公式」を使えば良い理由を理解しなくてはなりません.重要なのは公式ではなく,理由の方なのです.

というのが,情報が爆発的に増える時代に生きるみなさんにとっても適切な態度なのです. 検索だけでは納得することが必要になる理由まで届くことはできません. 現代の私たちが利用可能になったインターネット検索という強い道具をうまく使うと同時に,みなさん自身でそうした道具に振り回されないために理解するための努力の時間を設けてみてください.

最後に

検索の活用はおおいにしてください.ことばの意味を知らずに「理解する」努力をしても時間の浪費です.しかし,検索だけでは成果は得られないことを踏まえて使っていかなければならないのです.

答

  1. ウィキペディアの正しさは多くの人が確かめることを通じてなされており,誰かが保証しているわけではありません.
  2. Googleのランキング付けの方法は大枠は公開されているものの,具体的には秘密です. またランキング上位の項目は内容が正しいからそうなっているわけではありません.
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