ロゴ 学習活用のためのヒント集

コピペは便利?

コピペすらしないシェア(共有)の世界へ

韓国では,自国の電子政府基盤を設計する際に「コンピュータに一度入力されたデータは二度と再入力させない」を基本としたそうです. その韓国は2011年の国連電子行政ランキングで第1位,一方で日本は18位と大きく差をつけられています. 日本ではけっしてさぼっている訳ではなく,韓国の10倍を超える予算をつぎ込んでいるそうなのですが.

我が国でも電子政府化を進めようという取り組みが始まって久しいですが,そこで生まれた電子申請システムの多くは,利用度が低く,見直しを迫られています. なぜうまく行かないのか?  それは,我が国における手続きシステムの多くがコピー&ペースト(手作業による転記も含む)の繰り返しに毒されているからだと思います. コンピュータの導入によってコピー&ペースト(コピペ)という技が生まれましたが,相変わらず人が手作業で転記(コピペ)を何度でも繰り返すという実体が,電子政府化でうまく行っていないところに残っているからです.行政手続きでは縦割りということばがよく使われますが,それは,ここでお話しする共有(シェア)とは相反する方向なのです.

問

コピペすることで便利だとあなたの思うことに,どれだけの時間を費やしているか試算してみよう. 答えを見る

シェア(共有)するとは

コピペがいくら簡単だとはいえ,何回も繰り返せばそれなりの時間がかかります. またコピペでは,コピー範囲のコントロールを目で追う必要があります.シェアの仕組みは,そもそもコピペ自体の作業もなくして,自動転記してしまおうというものです. コピペでは,コピーしただけ元の情報の複製が増えますが,シェアでは,それが利用されるときに自動で転記されるので,情報の複製のための場所も必要とはしません.

シェア(共有)を使おう

「車輪の再発明はしない」という言い方が,コンピュータ利用の世界であります. 冒頭に述べた「データの再入力はしない」に通じることばでもあります. たとえば(AKB48で有名になっていますが)Google+では,情報をシェアするグループ(サークルと呼ぶ)を簡単に作ることができます. 勉強のことばかりでなく,課外活動でも使う機会はたいへん多くあると思います. 学習に役立てる せっかくのシェアしたい情報でも,それをメールで送りあったら,それはコピペの発想です.1対 1ならメールで送るほうが効率よいこともあるでしょう. しかし,関係者みんなが閲覧できれば十分の情報だったら,是非ともシェアを活用してみてください. 最近,就職活動の一つで話題になり出している「ソー活(ソーシャルネットワークの活用)」も,それを使いこなすには,シェアが望ましいものはコピペにしない,を心がけてみると,大学生活に限らず,インターネット利用が当たり前になったこれからの社会生活をきっと実りあるものにしてくれるはずです.

情報集めはほどほどに

手軽に使えるインターネット検索と,コピペが容易にできることから,何か調べたいことがあるときに「もっとうまい情報があるのではないか?」と思って,延々と検索を続けてしまうことはありませんか?  友人達などと集めた情報をシェアし,意見を交わしてみましょう. 必要以上に集めることに時間を費やすよりも,友人達などと集めた情報への意見交換をしたほうが効率がよいのです. コピペにばかり走ると,集めた情報を二度読む機会が少なくなっていたとしたら,それは,たいへんもったいないことです.

  1. 資料は二度以上読む
  2. 二つ以上の資料を比較する

を心がけると,情報を調べる効率があがるものです. インターネット検索のおかげで,複数の情報源をあたることはたいへん簡単になっているのですから.

答

正答はありません. コピペのための作業時間は意外と大きいものです. 問いに戻る