最先端への入り口
早く専門に集中したいかも知れませんが
「教養科目なんかやってないで,早く専門を勉強したい」という意見もよく耳にします.
そこで,専門の世界,しかも最先端の学問状況について少しお話しましょう. たとえば医学生物分野における iPS細胞の研究,2012年のノーベル医学生理学賞を日本の山中教授が受賞したことで改めて注目が高まっており,耳にしている人も多いでしょうし,間違いなく最先端の研究でしょう. しかし,みなさんが大学を卒業する頃はどうなっているか?
たぶん難しい基礎的な研究が主流になって,簡単に結果の出そうなところは枯れ尽くしているはずです. これが現代の最先端研究の特徴です. 大学を出る頃には難しい問題ばかりになっているはずなのです.
では最先端研究はどこから生まれてくるのでしょうか?
ほとんどは「一歩斜め上」ぐらいから生まれます. 先端研究のまっすぐ先ではたぶんありません. 斜め上を進むには,広い視野と確かな基礎力が肝要です.
そうした広い視野を知る上で最適な科目に,全学教育機構の提供する学問横断科目があります. 「環境 その人文社会学的アプローチ」,「宇宙から原子への旅」の 2つがそうしたものの例です.
下図は「宇宙から原子への旅」に関する概念図(2011年版)です.もっと詳しくは,シラバスなどを参照ください.