Excelで実験する統計学

出典: JMath

  • 著者:鈴木治郎,出版社:ピアソン・エデュケーション,2000(初版:アジソン・ウェスレイ,1998)

統計学入門の範囲について,表計算ソフトExcelを用いた数値実験によって各性質を確かめながら学習していく教科書です. 1995年より筆者が実施してきた授業のテキストを1冊の本にまとめました. 高校数学がおぼつかなくても,Excel上での演習を通じて,統計学で扱う現象の何たるかを体験できるよう配慮しています. 各練習問題は表計算上のシミュレーション実行を前提としていますので,結果の暗記や斜め読みには向きません. 各シミュレーションは表計算上の再計算を実行することにより,新たな乱数が与えられ,新たな実験結果を目にすることができます.

なおExcelで実装されている乱数はけっして質がよくないこともよく知られていますが(Excelに限った話ではなく研究者向けのSPSSでもそうなのですから;よい乱数を使いたい人はRなどを使いましょう),本書で実行する乱数実験はいずれも小規模なものであり,乱数の生成法の特徴を観察するにはいたりません.

初版から第2版への変更は,記述の改善以外には,初版で画面を採録していたExcel95から採録をExcel97/2000/2003にしたことです. ただしExcel95での操作も可能なように記述してあります.

統計学的法則を実験(シミュレーション)により確かめながら学習を進めていく教科書には

  • 統計,竹村彰通,共立出版,1997(xlispstat使用);2007年改訂第2版ではxlispstatに代わってRを使用しています.
  • Lisp-Statによる統計解析入門,垂水共之,共立出版,1999
  • R/S-PLUSによる統計解析入門,垂水共之/飯塚誠也,2006(Lisp-StatをRに書き換えた本)

もありますが,これられではプログラミング言語によるシミュレーションが強力にできる一方で,そのシミュレーションの妥当性を判断することが統計学初心者には理解困難であろうと筆者は考えています. このため,これらの教科書の対象は「数学として統計学を理解でき」,「初歩のプログラミングの意味を理解できる人」が,数学だけでは補いがたい統計学への理解を深めるもの,と判断していいます.